ヒットメーカーのライアン・マーフィーとブラッド・ファルチャックのコンビが2011年にスタートさせた、世界的大ヒットシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー』。
2024年1月現在、最も新しいシーズン12が『アメリカン・ホラー・ストーリー:デリケート』です。
本記事では、2023年12月に日本でもDisney+で配信が始まった、同シーズンPART1の主要登場人物とキャスト、そして各話のあらすじをネタバレありでご紹介します。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』シーズン12「デリケート(Delicate)」について
シーズン12『アメリカン・ホラー・ストーリー:デリケート』の舞台はニューヨーク、テーマは「妊娠」です。
ダニエル・バレンタイン(Danielle Valentine)の小説「デリケート・コンディション(Delicate Condition)」を原作としており、「妊娠」が重要なテーマとなっています。
その点で、1968年に大ヒットしたホラー映画『ローズマリーの赤ちゃん』の現代版とも言われる本作。
主人公の女優アナ・オルコットを、シリーズの常連エマ・ロバーツが演じるほか、お騒がせセレブのキム・カーダシアン、『POSE/ポーズ』で人気を博したトランス女優のMJ・ロドリゲス、長らくシャネルの顔を務めたスーパーモデルのカーラ・デルヴィーニュらが新しく加わり、これまでとはまた違う雰囲気を醸し出す世界が繰り広げられます。
2部に分けて配信され、全米では2023年9月から10月にかけてPART1の全5話を配信、PART2の残り5話は2024年中に配信される予定です。
日本においては、Disney+から12月にPART1の配信がスタートしました。
本シーズンの見どころ
「妊娠」が主要テーマとなるのはシーズン1「呪いの館」以来であり、シリーズの原点に戻ったかのような、おぞましい世界が繰り広げられます。
また常連俳優と新キャストを組み合わせる方式は、シリーズ通しての見どころですが、本シーズンはより深い意味合いが込められているように感じます。
主人公アナを演じるエマ・ロバーツは、まさにコロナ禍の最中だった2020年12月に第一子となる長男を出産したばかり。長男の父は、2019年から交際していた俳優のギャレット・ヘドランドですが、出産後の2021年に破局しています。
アナの親友シヴォーンを演じるキム・カーダシアンは、ラッパーのカニエ・ウエストとの間に、子癇前症を患いながら2013年6月に第一子の長女を早産で出産。2015年12月に長男を出産しましたが、同じ状態となったためドクターストップがかかります。そのためキムは手術に踏み切りましたが成功せず、第三子の次女と第四子の次男は代理母出産でもうけたという過去を持っているのです。(カニエ・ウエストとは2022年に離婚)
そうした2人を、「妊娠」がテーマの本シーズンにキャスティングしたのは、深い意味を感じざるをえません。
主要登場人物11人とキャスト紹介
①アナ・オルコット(演:エマ・ロバーツ)
出演映画が大ヒットし、一躍人気女優となった本作の主人公がアナです。夫デックスの子どもを欲し、不妊治療に取り組む一方、映画祭の主演女優賞受賞を狙っています。
②デックス・ハーディング・ジュニア(演:マット・ズークリー)
アナの夫で画廊のオーナーがデックスです。前妻アデラインに先立たれて、アナとは再婚です。
③シヴォーン(演:キム・カーダシアン)
アナの親友にして、敏腕広報エージェントがシヴォーンです。親友として親身になって動く一方、それとは違う別の顔が、第4話あたりから明確になってきます。
④ソニア (演:アナベル・デクスター=ジョーンズ)
デックスの画廊で展示会を行う女流画家がソニアです。デックスの前妻アデラインと非常によく似ており、そのためアナはソニアと夫の浮気を疑っています。
⑤ヒル医師(演:デニス・オヘア)
アナが不妊治療を行っている病院の医師です。明らかに、裏でなにやら画策しています。
⑥プリーチャー(演:ジュリー・ホワイト)
アナにつきまとう謎の老婆がプリーチャーです。病院曰く、体外受精に反対する変わり者で害はないとのことですが……。第5話でその正体が明らかになります。
⑦アイビー(演:カーラ・デルヴィーニュ)
ハンプトンズに滞在中のアナが腹痛を起こして運ばれた病院にいた看護師がアイビーです。アイビーの処置のあと、アナは流産を知ります。その後、アイビーという名の看護師は病院にいないことが判明し、その正体が第5話で明らかになります。
⑧ニコレット(演:ミカエラ・ジェ・ロドリゲス)
アナとデックスが滞在する、パンプトンズにある友人タリアの別荘で、管理人をつとめる女性がニコレットです。出産したばかりだと言いますが、挙動不審で、何やら謎めいた存在です。
⑨ハミッシュ(演:ドミニク・バージェス)
アナの主演映画の監督です。シヴォーンと男女の仲であり、第4話でその裏事情が明らかになります。
⑩バベット(演:テイラー・リチャードソン)
21歳の新進女優であり、賞レースにおいて、アナのライバルです。
⑪バージニア・ハーディング(演:デブラ・モンク)
デックスの母で、悪魔信者だった夫を裁判で訴えるため、デックスの証言を望んでいます。
PART1の全5話:ネタバレあらすじ
訳者が手抜きしたとしか思えないのですが、各話タイトルは英語のままですので、こちらで意訳すると、意味は以下の通りです。
第1話:もっと痛みを
第2話:子守唄
第3話:風折れの枝
第4話:双子胎児の一人が消えて
第5話:説教
第1話「マルティプライ・ザイ・ペイン」
画廊を営む夫デックスとともに、不妊治療を続けていた人気女優アナ・オルコット。ヒル医師から、今度の採卵はうまくいったと、冷蔵保存して使う特別な座薬を処方されます。
ところが、謎めいたサングラスの女からストーカーされたり、自分を知っているという老婆プリーチャーの存在に悩まされたりするなど、奇妙な出来事が相次ぎ、そればかりか、物が勝手に移動、髪の毛や肌にも異変が……。
またアナは、夫の死んだ前妻アデラインへの嫉妬を拭えず、アデラインによく似ているという画家ソニアと夫の関係を疑っていました。
おまけに、大事な胚移植の日に、親友でもある広報エージェントのシヴォーンから提案されたテレビ番組への出演を受けてしまい、仕方なく翌日にずらすことになります。
そして胚移植の施術中、プリーチャーから血だらけの口でキスされる幻をみたばかりか、帰宅したベッドの上で、黒ずくめの侵入者にお腹を触られて逃走され……。気づくと、手は口紅で赤く染まり、鏡にも口紅で「やめろ、アナ」とのメッセージが書かれていました。
第2話「ロッカバイ」
デックスはそのとき買い物に出かけていて不在。警察は、薬による幻覚ではないのかと真剣に取り合ってくれず……。
アナはゴッサム賞にノミネートされますが、シヴォーンはアナの野心や努力が足りないと、ビタミン剤の小さなボトルを飲むよう手渡します。
アナは見事妊娠に成功。授賞式に向け、シヴォーンが用意したドレスを試着し鏡の前に立つと突然鏡がひび割れます。見事受賞を果たしたものの、会場のトイレでファンの女性を突き倒してケガをさせ、受賞スピーチでは、幻覚を見て黒い血を吐き倒れてしまいます。救急隊員に無理やり鎮静剤を打たれ、ベッドで目覚めたアナに、シヴォーンはストレスで幻覚を見ただけだと……。
アナとデックスは、静かな時間を過ごそうと、デックスの友人でアデラインの親友だったタリアのハンプトンズにある警備員付き別荘にやってきます。しかし警備員カマールの運転する車中でアナは激しい腹痛を起こし、病院に運ばれます。
アイビーと名乗る看護師から超音波検査を受けますが、直後に流産したことを確信。しかも医師からは、アイビーなどという看護師はこの病院にいないと言われてしまうのでした。
第3話「ホエン・ザ・バウ・ブレイクス」
アナは、流産は何者かの仕業だと主張するも、信じようとしないデックスと口論に……。一人車を降りて歩き出した森の中で、またもやプリーチャーを目撃するのでした。
別荘に戻って翌朝、ニコレットと名乗る管理人がキッチンに……。心配してやってきたシヴォーンと砂浜を散歩するアナの後ろ姿を、遠くから黒ずくめのベールを被った2人が見つめていました。またアナは、砂の中に、おなかに釘を刺された自分の人形を見つけます。
一人、忍び込んだ地下室で、アナは、無数のホルマリン漬けにされた胎児を発見。しかし次の瞬間、黒いベールの2人が現れ、アナを手術台に拘束して注射……。
意識を取り戻したアナは、悪夢を見たのだと思い、また流産後もお腹に胎児がいるように感じることを、医師に相談しますが、そんなことはありえないと言われてしまいます。
しかし、買い物に出た町で、店員から確かに妊娠していると言われ、また路上では、デックスがソニアと会っている姿を目撃するのでした。
第4話「バニシング・ツイン」
1955年、イングランドのハンプトン・コート宮殿。エリザベス1世は、姉のメアリー1世の出産した悪魔の子が、黒いベールの女2人に連れ去られるのを目撃……。
アナは別荘の庭で見つけた、タヌキの無残な死骸を家に持ち込み、地下室のベビーベッドに寝かせます。マンハッタンに戻ると、シヴォーンが、ゴールデングローブ賞にノミネートされるためのイメージ回復を図るため、2人の女性アドバイザーを用意していました。ともにアシュリーと名乗る黒づくめの2人は、ショート動画をアップするよう指示。
自宅に戻ると、デックスの母バージニアが家に……。長い間、自分に悪魔儀式的な虐待をしてきた父親を訴えるので、デックスに証言して欲しいと言います。
ヒル医師のエコー検査を受けると、確かに胎児が育っていることが判明。双子妊娠で、そのうちの一人だけが死んだのだろうと……。安堵したのも束の間、駐車場で、サングラスの女を目撃。サングラスをとるとなんと看護師のアイビーでした。
デックスとハンプトンズに戻ると、ニコレットから、アナのショート動画に感動したと言われます。しかし、届いたお祝いの花と一緒にあったメッセージ・カードには「誰も信じるな」と書かれていました。
見事、アナはゴールデングローブ賞にノミネートされます。
実は、シヴォーンは主演映画の監督ハミッシュと肉体関係を持って裏で取引していました。監督は、映画が成功したのは悪魔と契約したからだと口にしますが、シヴォーンにきつく口止めされます。
夜中、空腹に目覚めたアナは、地下室に行くと蛆虫だらけのタヌキの死骸にむしゃぶりつくのでした。
第5話「プリーチ」
1987年のマンハッタン。プリーチャーが、黒いベールの女2人に押さえつけられ、ヒル医師の手で悪魔の赤ん坊を出産……。
2023年のパンプトンズ。母バージニアが求める証言をデックスは拒否。父のお陰で成功した人生を送れたから嫌なのかと指摘されてしまいます。
一方アナは、シヴォーンが、21歳のライバル女優バベットとも広報契約したことを責めますが、シヴォーンからは冷たくビジネスだと返され……。
裁判所からの帰り道、街中で黒いベールの女たちを目撃したバージニアに、「話がある」と近づいてきたのがプリーチャー。プリーチャーは、妊娠した赤ん坊を手渡せば仕事の成功を約束するという一味と取引したのだと。そしてバージニアの息子夫婦にもその危険が迫っていると忠告。2人が狙われたのは、かつて一味だった女アデラインがデックスに恋し仲間を抜けたからだと言うのでした。
腰の痛みを診察したヒル医師から、ゴールデングローブ賞出席より、妊娠の方が大切であり、遠出を控えるよう指示されたアナ。
アナはデックスに頼んでソニアを食事に招きます。ソニアはアナに優しく、しかもアデラインの写真を見せても全く知らない人物だと……。しかし、そんなソニアをニコレットは以前から知っているような目で見つめていました。
ヒル医師の手配でセラピーにやってきた女性コーラに辱められそうになったと主張するアナは、信じようとしないデックスと再び口論になってしまいます。
ニュースで、バベットがゴールデングローブ賞を受賞したことを知るアナ。シヴォーンから電話で、オスカーを受賞するためならなんでもするかと問われたアナは思わず承諾します。翌朝、アナはバベットが事故死したことを知るのでした。
『アメリカン・ホラー・ストーリー:デリケート』PART2はどうなる?配信はいつ?
PART1の全5話を視聴しても、まだまだ謎だらけです。アナが邪悪な赤ん坊を産もうとしていることは明らかですが、登場人物の誰が善人なのか、誰が悪魔と手を結んでいるのかも、まだ判別できません。PART2で、どんでん返しの可能性も大いにありそうです。
2024年1月15日現在、PART2の配信日についての公式の発表はありません。2024年中であることは間違いありませんが、春から初夏にかけてと推測するむきもあります。
PART1の配信日程を見る限り、日本のDisney+で配信されるのは、全米での配信から終わってからさらに1か月以上あとになる可能性が高く、さらなる先になることが推測されます。
詳しい情報が判明し次第、またこちらで更新したいと思います。