若者を中心としたテレビ離れ、スポンサー離れ、オンデマンドの普及などとりまく経営環境の厳しさから、年末年始のテレビ番組はめっきり観たいものがなくなりました。
ドラマの再放送や同じような顔ぶれの並ぶお笑い番組、旅・グルメ番組ばかり……。つまらない番組を観るぐらいなら、放送される映画をじっくり鑑賞しませんか?
本記事では、2024年の年末から2025年年始にかけて、地上波テレビ/BSで放送される映画の中から、おすすめの作品を15作ご紹介します。
- 年末年始テレビで観るおすすめ映画【あらすじ/キャスト/見どころ】紹介!
- ①12/29(日)19:00-:『トッツィー』(TOKYO MX)
- ②12/31(火)11:30-:『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(NHK BS)
- ③12/31(火)15:50-:『七人の侍』(NHK BS)
- ④12/31(火)19:00-:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(フジテレビ)
- ⑤1/1(水)20:30-:『ヘアスプレー』(TOKYO MX)
- ⑥1/2(木)11:00-:『レ・ミゼラブル』(NHK BS)
- ⑦1/2(木)23:15-:『そして父になる』(NHK BS)
- ⑧1/3(金):21:00-:『ライオン・キング』(日本テレビ)
- ⑨1/4(土)11:10-:『ビッグ・フィッシュ』(NHK BS)
- ⑩1/4(土)21:00-:『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)
- ⑪1/4(土)21:00-:『スタンド・バイ・ミー』(BS TBS)
- ⑫1/4(土)22:30-:『カメラを止めるな!』(NHK BS)
- ⑬1/8(水)13:00-:『エルヴィス』(NHK BS)
- ⑭1/10(金):21:00-:『ハウルの動く城』(日本テレビ)
- ⑮1/12(日)13:00-:『風と共に去りぬ』(NHK BS)
- 年末年始にふさわしい豪華なラインアップ!
年末年始テレビで観るおすすめ映画【あらすじ/キャスト/見どころ】紹介!
①12/29(日)19:00-:『トッツィー』(TOKYO MX)
売れない中年俳優が女装して別人女優に成りすましたとたん、一気に人気者となる姿を描いた1982年公開のロマンチック・コメディの名作です。
主人公マイケルを演じたダスティン・ホフマンの名演技はもちろん、ヒロインを演じたジェシカ・ラングも見事アカデミー助演女優賞に輝きました。
2018年にはミュージカル化され、日本でも2024年に山崎育三郎主演で上演されて話題をよびました。また、マイケルのガールフレンドを演じたテリー・ガーは、惜しむらくも2024年10月に他界したばかり…。彼女のコミカルな魅力が存分にあふれた作品でもあり、追悼の意味でもおすすめです。
②12/31(火)11:30-:『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(NHK BS)
1963年に47歳の若さで亡くなったフランスの伝説的シャンソン歌手、エディット・ピアフの波乱に満ちた生涯を描いた伝記映画です。
見事にピアフに成り切ったマリオン・コティヤールは、米アカデミー賞、米ゴールデングローブ賞、仏セザール賞、英BAFTA映画賞など各国の権威ある映画祭の主演女優賞を独占しました。
有名な「愛の讃歌」を熱唱するクライマックスは、涙なくして観ることができません。
③12/31(火)15:50-:『七人の侍』(NHK BS)
1954年に公開された、黒澤明監督、三船敏郎のコンビによる言わずと知れた日本映画を代表する名作中の名作です。
戦国時代を舞台に、野武士の襲撃と略奪に苦しんだ百姓に雇われた個性的な7人の侍が、命がけで村を守り抜く姿を描きます。
ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞、ハリウッドでリメイク、2018年にはBBCによって史上最高の外国語映画第1位選出、TIME OUT誌が選ぶ世界最高の映画第7位選出など、世界の映画史に多大なる影響を与えました。半世紀以上前の作品ですが、映画ファンを名乗るなら、この作品未見はありえません。
④12/31(火)19:00-:『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(フジテレビ)
世界中で爆発的人気を博す任天堂ゲームシリーズの、アニメーション映画化作品です。2023年に公開されるや世界中で大ヒットを記録しましたが、ついに大晦日の夜、地上波初放送です。
マリオとルイージ兄弟を中心に、ピーチ姫、ドンキーコング、クッパらおなじみのキャラクターたちが、ゲームの世界観そのままに、映画らしい壮大なスケールで大冒険を繰り広げます。
任天堂と『怪盗グルー』で知られるイルミネーション社が手を組んで製作しました。大晦日の夜、子どもから大人まで家族全員で楽しむにはもってこいの作品です。
⑤1/1(水)20:30-:『ヘアスプレー』(TOKYO MX)
カルト的人気を博す鬼才ジョン・ウォーターズ監督が発表した1988年公開の同名映画のミュージカルリメイクです。トニー賞で8部門を独占した2002年のミュージカル版が、事実上のベースとなっています。
1960年代のボルチモアを舞台に、人気テレビ番組のオーディションに挑戦する太ったティーンエージャー、トレイシーの奮闘を軸に描きます。
トレイシーの母エドナを特殊メイクで演じたジョン・トラボルタの女装ぶりは必見!他にも、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、アリソン・ジャネイら脇を固める豪華キャストも見どころです。
⑥1/2(木)11:00-:『レ・ミゼラブル』(NHK BS)
世界各国で何度も映画化、舞台化、ミュージカル化、ドラマ化がなされてきた、ヴィクトル・ユーゴー作同名歴史小説。2012年にトム・フーパー監督、ヒュー・ジャックマン主演でミュージカル映画化された作品が本作です。
他にもラッセル・クロウ、ヘレナ・ボナム=カーター、エディ・レッドメインら豪華なキャストが顔をそろえましたが、中でも悲運のファンティーヌを熱演したアン・ハサウェイは、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演女優賞をW受賞しました。
もちろん、感動的な数々の名曲・名唱にあふれ、お正月にふさわしい作品だと言えるでしょう。
⑦1/2(木)23:15-:『そして父になる』(NHK BS)
いよいよ明日から全国公開です。 劇場でお待ちしております! 劇場情報はこちら →http://t.co/vhpyfmv8Ps #そして父になる pic.twitter.com/JiROK6gZco
— 映画『そして父になる』公式アカウント (@soshitechichi) September 27, 2013
2013年のカンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた、是枝裕和監督の代表作の一つです。
我が息子が、実は生まれた病院で入れ替わってしまった別の子だった事実が判明し、苦悩する父親の姿を描きます。福山雅治が主人公、その妻を尾野真千子、もう一方の夫婦をリリー・フランキーと真木よう子が演じました。
是枝監督は、2018年の映画『万引き家族』でついにカンヌ国際映画祭パルムドールに輝きましたが、それよりこの『そして父になる』の方をより高く評価する人も少なくありません。是枝監督は、2025年1月に、日本ドラマの金字塔『阿修羅のごとく』をリメイクし、Netflixで配信するのも話題です。
⑧1/3(金):21:00-:『ライオン・キング』(日本テレビ)
話題作を放送する日本テレビの金曜ロードショー枠で新年第一弾の作品として選ばれたのは、2019年に公開された超実写版『ライオン・キング』です。時間を延長し、本編ノーカットで放送されます。
1994年に公開されたディズニーの同名アニメーション映画をリアルなフルCGでリメイクしたものであり、ディズニーの実写版映画では世界No.1のヒット作となりました。
ライオンの王子シンバの成長を描く物語であり、2024年12月20日に公開された『ライオン・キング ムファサ』はこの前日譚にあたります。ぜひあわせて鑑賞をおすすめします。
⑨1/4(土)11:10-:『ビッグ・フィッシュ』(NHK BS)
『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などファンタジー作品で絶大なる人気を誇るティム・バートン監督が、2003年に発表した知る人ぞ知る名作が『ビッグ・フィッシュ』です。
ユアン・マクレガーと2019年に他界した名優アルバート・フィニーが、父と子の和解の物語を、感動的ながらやはり独特のファンタジー世界の中に描きます。終盤のあっと驚く展開に、胸が締め付けられるでしょう。
他にも、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、マリオン・コティヤール、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・デヴィートら二人を囲む脇役陣も豪華です。
⑩1/4(土)21:00-:『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)
小学館漫画賞を受賞した田村由美の同名漫画を原作に、菅田将暉を主演に迎え、2022年1月から3月までフジテレビ月9枠で放送されたテレビドラマ『ミステリと言う勿れ』。2023年9月に公開された同作の映画版です。
本作では、天然パーマの大学生・久能整が、広島のある名家をめぐる遺産相続事件の謎に迫ります。菅田将暉はもちろん、伊藤沙莉、尾上松也らドラマ続投陣にくわえ、今回は原菜乃華がヒロイン、さらに松下洸平、町田啓太、鈴木保奈美らが出演します。
フジテレビでは、映画版完全ノーカット放送にくわえ、ドラマ全12話も、2025年1月2日から4日の3夜連続で一挙放送!年始は、思う存分この作品に浸るのはいかがでしょうか?
⑪1/4(土)21:00-:『スタンド・バイ・ミー』(BS TBS)
スティーヴン・キングの小説を原作に、1986年に公開された青春映画の秀作が『スタンド・バイ・ミー』です。
1950年代、オレゴン州にある小さな田舎町を舞台に、4人の少年のささいな冒険をノスタルジックも切ないタッチで描きます。本作をベスト映画に挙げるなど、日本では特にファンの多い作品です。
4人の少年の一人を演じた故リヴァー・フェニックスの若きみずみずしい姿も必見です。
⑫1/4(土)22:30-:『カメラを止めるな!』(NHK BS)
低予算のインディーズ作品ながら、SNSを中心に話題を呼び、予想外の大ヒットを記録した2017年の映画が『カメラを止めるな!』です。国内外で多数の賞を受賞し、フランスではリメイクまで製作されました。
廃墟で自主制作のB級ゾンビ映画を撮影するチームの姿と、その裏で本物のゾンビに襲われる彼らの姿をコミカルに描き、特に37分ワンシーン・ワンカットは大きな話題を呼びました。
キャッチフレーズは「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」この作品をまだ観たことがない人は、一度だまされたと思って観てみてください。
⑬1/8(水)13:00-:『エルヴィス』(NHK BS)
1977年に42歳の若さで死去したアメリカを代表する大エンターテイナー、エルヴィス・プレスリーの生涯を描いた、2022年公開の伝記映画です。
メガホンをとったのは『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』を大ヒットさせたバズ・ラーマン、そして見事にエルヴィスを演じきったオースティン・バトラーは、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞など、非常に高い評価を得ました。実際、若い頃の歌唱はバトラー自身です。
物語のもう一人の主人公ともいえる、エルヴィスの元マネージャー、トム・パーカー大佐をトム・ハンクスが演じています。
⑭1/10(金):21:00-:『ハウルの動く城』(日本テレビ)
小会社であるスタジオジブリの作品を毎年多数放送する日本テレビ「金曜ロードショー」の新年ジブリ第一作目に選ばれたのは、2004年公開の『ハウルの動く城』です。
イギリスのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作とし、呪いにより老婆に変えられてしまった少女ソフィーと魔法使いの青年ハウルの壮大な冒険を描きます。
ヴェネツィア国際映画祭やニューヨーク映画批評家協会で賞を受賞したほか、『千と千尋の神隠し』に続きアカデミー賞にもノミネートされました。ソフィーの声を倍賞千恵子、ハウルを木村拓哉が担当したほか、美輪明宏や神木隆之介、大泉洋ら声優陣も相変わらず豪華です。
⑮1/12(日)13:00-:『風と共に去りぬ』(NHK BS)
マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説を壮大なスケールと豪華キャストで描いた、映画史に燦然と輝く名作が1939年公開の『風と共に去りぬ』です。
南北戦争で荒廃するジョージア州アトランタを舞台に、力強く生きる一人の女性スカーレット・オハラの波乱の半生を描き、アカデミー賞では、作品賞・監督賞・ヴィヴィアン・リーの主演女優賞、黒人初となるハティ・マクダニエルの助演女優賞含む、全10部門を独占しました。
本国アメリカでは、行き過ぎたポリコレのあおりを受け、一時不当に上映禁止運動などが起きましたが、そうしたアンチなどものともせず、映画史に残る名作中の名作としてその評価はゆるぎません。
年末年始にふさわしい豪華なラインアップ!
年末年始にテレビ放送される映画の中から、おすすめの15作品をくわしくご紹介しました。この時期、家族で鑑賞するにふさわしい豪華なラインアップが揃っています。
また、「一部地域を除く」とされている作品もありますから、詳しくはそれぞれのローカル局の番組表をご確認ください。